塁審を始めてから、しばらくの間は先輩に教えてもらいながら、塁審としての動きやメカニクスを勉強していました。
これまでの記事で書いてきた「ゴーアウト」や「ピボット」、「GO・STOP・CALL」なども、この頃に少しずつ覚えていったことです。
最初は頭で分かっていても、実際の試合になるとなかなか思うように体が動きません。
それでも、何試合か経験するうちに、少しずつ試合にも慣れてきました。
そして、塁審を始めてから約1か月が経った頃です。
今でも鮮明に覚えている出来事がありました。
先輩から、
「そろそろ球審をしてみようか」
と声をかけてもらったのです。
「球審をやるの?」
正直に言うと、嬉しかったです。
「自分も少し認めてもらえたのかな」
そんな気持ちがありました。
でも、それと同時に、
「球審なんてできるの?」
という怖さもありました。
塁審でもまだまだ分からないことがたくさんあります。
そんな自分が、今度はホームベースの後ろに立って、ストライクやボールを判定する。
そう考えると、不安でいっぱいでした。
ところが、不思議なことに、時間が経つにつれて、
「やってみたい」
という気持ちの方が大きくなっていきました。
「せっかく声をかけてもらったんだから、やってみよう」
そう思ったのを覚えています。
球審用の防具を買いに行く
球審をやることが決まると、さっそくスポーツ用品店へ行きました。
そして、球審に必要な防具一式を注文しました。
それまで塁審として試合に出ていた私にとって、球審用の防具をそろえることは、
「本当に自分が球審をやるんだ」
という実感につながりました。
防具をそろえると、なんだか一人前の審判になったような気がして、ちょっと嬉しかったのを覚えています。
どんな防具を選んだのかについては、また別の記事で詳しく紹介したいと思います。
いよいよ初めての球審
そして、初めて球審をする日がやってきました。
バックネットの後ろから、先輩が私の様子を見てくれていました。
それだけでも、
「失敗できないな……」
という緊張感がありました。
でも、いざ試合が始まると、そんなことを考えている余裕はありません。
とにかく、
「目の前のプレーをしっかり見る」
それだけで精一杯でした。
ストライクなのか、ボールなのか。
ランナーが走ったらどうするのか。
何かプレーが起きたらどう動くのか。
頭の中はいっぱいです。
まさに、
無我夢中。
試合が始まったと思ったら、あっという間に終わってしまいました。
試合の内容をほとんど覚えていない
試合終了の挨拶を終えたとき、
「終わった……」
という気持ちと同時に、一気に疲れが出てきました。
ベンチに座った瞬間、力が抜けてしまいました。
そして、今振り返ってみると、
「どんな試合だったんだろう?」
と思うくらい、試合の細かい内容をあまり覚えていません。
それくらい緊張していたんだと思います。
初めての球審は、それほど私にとって大きな経験でした。
先輩からもらったアドバイス
試合を見てくれていた先輩から、いくつかアドバイスをもらいました。
まず言われたのが、
「ちょっと高めをストライクに取っていたかもしれないね」
ということでした。
やっぱり、そうだったのか……。
自分では一生懸命に判定していたつもりでしたが、ストライクゾーンを正確に見ることは、想像していた以上に難しかったです。
そして、もう一つ。
先輩から、
「ボールが怖いかもしれないけど、もう少しキャッチャーに近づいた方が、ボールがよく見えてストライク・ボールの判定がしやすいよ」
と教えてもらいました。
確かに、ボールが飛んでくるのは怖い。
特に初めての球審です。
「当たったらどうしよう」
という気持ちもあり、無意識にキャッチャーから少し離れていたのだと思います。
でも、先輩のアドバイスを聞いて、
「安全な場所にいるだけでは、正確な判定はできないんだ」
ということにも気づきました。
もちろん、安全には十分注意しなければなりません。
そのうえで、できるだけ良い位置からプレーを見ることが大切なんだと分かりました。
「最初にしては上出来だったね」
いくつか改善点を教えてもらいました。
でも、最後に先輩から、
「でも、最初にしては上出来だったね」
と言ってもらいました。
この言葉は本当に嬉しかったです。
「よかった……」
という安心感と、
「また球審をやりたい」
という気持ちが出てきました。
今になって振り返れば、塁審としてのカバーなど、できていなかったこともたくさんあったと思います。
でも、初めてだからこそ、分からないことだらけで当然です。
それよりも、
「もっと上手になりたい」
と思えたことが、自分にとっては大きかったんだと思います。
初めての球審で分かったこと
初めて球審を経験してみて、塁審とはまた違う難しさがあることを実感しました。
塁審のときは、担当する場所やプレーを見ながら動いていきます。
でも球審になると、投手と打者のプレーを間近で見ながら、毎球、
「ストライクなのか、ボールなのか」
を判断しなければなりません。
そして、その判断を毎回、声とジェスチャーで示します。
初めての私は、これだけでも本当に大変でした。
でも、不思議なことに、
「難しいから、もうやりたくない」
ではなく、
「難しいから、もっと上手になりたい」
と思ったのです。
これが、私が球審を続けていくきっかけの一つになりました。
そして、球審を経験したことで、次に大きな課題になったのが、
「ストライクとボールをどうやって判断するのか」
ということでした。
次回は、私が球審を始めた頃に特に苦労した、**「ストライクゾーン」**について書いてみたいと思います。


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