第22話 勉強会で練習したプレーが本当に起きた!初めて「インターフェアランス」を宣告した日

審判をしていると、

「こんなプレー、本当に起こるんだ!」

という場面に出くわすことがあります。

そんなとき、慌てずに適切に対応できるか。

それも審判員に求められる力の一つなのだと思います。

今回は、勉強会で練習したプレーが、その後の試合で本当に起きたときのお話です。

勉強会で練習した「打者の妨害」

審判を始めてから、勉強会に参加する機会がありました。

そこでは、審判の立ち位置や動き方だけでなく、

「こんなプレーが起きたら、どう対応するのか?」

ということを、実戦形式で練習することがあります。

その中の一つに、盗塁したときに打者が捕手の送球を妨げてしまう、というケースがありました。

そのときは、

「こんなことも覚えなきゃいけないのか……」

と思いながら練習していました。

ところが後日――。

まったく同じようなプレーが、本当に試合で起きたのです。

一塁ランナーがスタート。そのとき……

その試合で、私は球審を務めていました。

1アウト、ランナー一塁。

打者は2ストライクに追い込まれていました。

投手が投球すると、一塁ランナーが二塁へスタート。

盗塁です。

打者はそのボールを空振り。

三振!

捕手はすぐに二塁へ送球しようとします。

ところが、空振りした打者がバッターボックスから出てしまい、捕手の送球動作を妨げてしまったのです。

その瞬間、頭の中に勉強会で練習した場面が浮かびました。

「これ、勉強会でやったやつだ!」

「インターフェアランス!」

私は打者の妨害を確認して、

「インターフェアランス!」

と宣告しました。

そして、二塁でのプレーを確認します。

判定は、

「セーフ!」

そこでタイムをかけ、三振した打者が捕手の送球を妨害したことを確認し、一塁ランナーにもアウトを宣告しました。

これで3アウト。

チェンジです。

自分でも驚くくらい、勉強会で教えてもらったことが頭に浮かび、落ち着いて対応することができました。

なぜランナーまでアウトになるの?

ここは少し分かりづらいところです。

通常、打者が捕手の送球を妨害した場合は、打者がアウトになり、ランナーは元の塁に戻されます。

しかし今回の打者は、すでに三振でアウトになっていました。

そのアウトになった打者が、さらに捕手の送球を妨害したため、盗塁を試みた一塁ランナーがアウトになります。

「勉強会でやったこと、本当に役に立った!」

一連の判定が終わったあと、心の中で、

「今のはナイスジャッジだったんじゃない?」

と、密かに自分を褒めていました(笑)。

それまで勉強会で教えてもらうことの中には、

「こんな場面、本当に試合で起きるのかな?」

と思うものもありました。

でも、実際に起きたのです。

そして、そのときに慌てず対応できたのは、以前に一度、勉強会で経験していたからでした。

審判を始めたばかりの頃は、

「こんなにたくさん覚えられないよ……」

と思うこともあります。

でも、すべてを一度に覚える必要はないのかもしれません。

勉強会で経験して、実際の試合で経験して、そしてまた振り返る。

そうやって少しずつ、自分の中に「審判としての引き出し」が増えていくのだと思います。

「練習しておいてよかった!」

そう実感した試合でした。

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