第10話 高めから落ちるカーブが分からない!球審になって初めて気づいた「最後まで見る」大切さ

前回の記事では、私が初めて球審をしたときに悩んだ「ストライクゾーン」について書きました。

ホームベースの幅を意識したり、低めは膝を一つの目安にしたり。

先輩から教えてもらったことを意識して投球を見るようになると、少しずつですが、

「ここならストライクとして見られそうだな」

という自分なりの感覚が出てきました。

「これで少しはストライクゾーンが安定してきたかな」

そう思い始めた矢先、また新しい壁にぶつかりました。

それが、高めから落ちてくる変化球でした。

高めから落ちてくるカーブが難しい

そもそも私は、高めのストライクゾーン自体がまだ安定していませんでした。

そんな私にとって、高めから落ちてくるカーブはとても厄介なボールでした。

例えば、打者から見ると、胸元あたりに向かってくるボールです。

打者からすれば、

「これは高い。ボールだろう」

と思ってしまうのも無理はありません。

ところが、球審の位置から見ていると、そのボールが途中からスッと落ちてきます。

そして、最後にはキャッチャーのミットに吸い込まれていく。

「あれ?」

「今のは高かったのか?」

「それともストライクなのか?」

一瞬迷いながら、判定することもありました。

これが、私には本当に難しかったのです。

先輩に相談してみました

自分一人で考えていてもなかなか答えが出ません。

そこで、先輩に、

「高めのカーブの判定が安定しないんですよね」

と相談してみました。

すると、こんなアドバイスをもらいました。

「球審のマスクの目元を守るガードの部分を、一つの目安にしてみたらどう?」

つまり、

球審の目の高さを基準にして、それより高ければボール、そこから低くなればストライクとして見る。

という考え方です。

もちろん、実際のストライクゾーンは単純に「マスクの高さ」で決まるわけではありません。

でも、当時の私にとっては、とても分かりやすい「見るための目安」でした。

それまでの私は、

「高いかな?」

「低いかな?」

と、選手のユニフォームの胸元のチームロゴを見て判断していました。

そこに一つの目安ができたことで、少しずつですが投球を見るときの意識が変わっていきました。

「最後までボールを見る」

さらに、先輩からもう一つ大切なことを教えてもらいました。

「ベースには奥行きがあるから、最後まで目を切らずにしっかり見るんだよ」

この言葉も、当時の私にはとても印象に残りました。

投球は、ピッチャーからキャッチャーまで一直線に飛んでくるとは限りません。

特にカーブのような変化球は、途中から大きく変化します。

そのため、ボールが最初にどこを通ってきたかだけを見て、

「高い!」

と判断してしまうと、最後のところで実際にどこを通ったのかを見失ってしまいます。

だからこそ、

「最後まで目を切らずに見る」

ことが大切なんだと教えてもらいました。

「なるほど!」

と思い、さっそく実践してみました。

少しずつ「見るポイント」が分かってきた

実際に意識してみると、すぐに完璧に判定できるようになったわけではありません。

やっぱり迷うこともあります。

それでも、

「最初にどこから来たか」だけではなく、

「最後にどこを通ったのか」

を見るようになりました。

さらに、自分の中で一つの目安を持って投球を見ることで、少しずつですが、

「この辺ならストライクとして見る」

という感覚ができてきたように思います。

もちろん、今でもすべての投球を完璧に判定できるわけではありません。

でも、この先輩の言葉は、私にとって審判として成長するきっかけになりました。

審判は「ボールを見る」だけではない

審判を始めたばかりの頃の私は、

「ボールをよく見れば、正しい判定ができる」

と思っていました。

でも、実際に球審をやってみると、それだけではありませんでした。

どこに立つのか。

どこを基準に見るのか。

そして、いつまで見るのか。

こうしたことを一つずつ覚えていくことで、少しずつ判定が安定していくのだと思います。

特に今回教えてもらった、

「最後まで目を切らずにしっかり見る」

という言葉は、今でも私の中に残っています。

初心者の頃は、分からないことばかりです。

でも、分からないことが出てきたら、経験のある人に聞いてみる。

そして、教えてもらったことを実際にやってみる。

そうやって少しずつ、自分なりの「見るポイント」が増えていくのも、審判の面白さなのかもしれません。

次回は球審の立ち位置について書いてみたいと思います。

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