第9話 ストライクゾーンが分からない!初めて球審をして気づいた2つのこと

初めて球審をしたとき、私が一番難しいと感じたのが「ストライクゾーン」でした。

もちろん、野球をやってきたので、ストライクゾーンがどこなのかは知っています。

でも、実際に自分が球審として判定するとなると、話は別でした。

「今のボールはストライク?」

そう思いながら判定していると、同じようなコースのボールでも、そのときによって判定が変わってしまいます。

今回は、そんな私が先輩審判から教えてもらい、ストライクゾーンを考えるときの参考になった2つのことを紹介します。

最初は「どこから見るの?」という状態でした

球審は、打者と捕手の間にある「スロット」と呼ばれる位置に入って、投球を見ます。

そして、ホームベースを基準にして、投球がストライクゾーンを通ったかどうかを判断します。

ところが、最初の私は、できるだけボールを正面から見ようとして、捕手の真後ろに近い位置から見ていました。

すると、見る位置が安定しません。

「今のはストライクだったのかな?」

「さっきは同じようなコースをボールにしたけど……」

そんなことを繰り返していました。

そこで先輩に相談すると、ストライクゾーンを考えるときの具体的な目安を教えてくれました。

① ホームベースの横幅を目安にする

まず教えてもらったのが、ホームベースの横幅を意識することでした。

野球のホームベースは、横幅が43.2cmあります。

軟式M号球の直径は約7.2cmなので、単純に計算すると、

43.2cm ÷ 7.2cm = 6

つまり、ホームベースの横幅は、M号球約6個分になります。

先輩からは、

「ホームベースの幅を基準にして、ボールが少しでもかかっていればストライクと考える」

というような判定の考え方を教えてもらいました。

もちろん、実際のストライクゾーンは「ボール何個分」と単純に決められるものではありません。

でも、当時の私にとって、この話はとても分かりやすいものでした。

それまでの私は、

「ストライクゾーンって、この辺かな?」

という感覚だけで見ていたからです。

ホームベースを基準にして考えることで、

「ここまでならストライクとして見る」

という自分なりの目安を持てるようになりました。

すると、それまで自分の中で狭くなっていたストライクゾーンにも気づくことができました。

② 低めは「膝」を意識する

もう一つ教えてもらったのが、低めのストライクゾーンについてです。

打者によって身長や体格は違います。

そのため、高めのゾーンは打者によって見え方が変わります。

そこで先輩から、

「低めは膝を一つの目安にするといい」

と教えてもらいました。

もちろん、実際のストライクゾーンは打者の構えやルール上の基準などを踏まえて判断する必要があります。

それでも、初心者の私にとっては、

「低めを見るときは、まず膝を意識する」

という考え方が、とても役に立ちました。

それまでは、低めに来たボールを見るたびに、

「これは低いかな?」

と迷っていました。

でも、見るポイントを一つ決めることで、少しずつ判断しやすくなっていきました。

ストライクゾーンは「感覚」だけでは難しい

球審を始める前は、

「ストライクかボールかなんて、見れば分かるだろう」

くらいに思っていました。

ところが、実際にやってみると全然違います。

同じようなコースに投げられたボールでも、打者の身長や構え、投球の高さなどによって見え方が変わります。

しかも、球審は一球一球、その場で判断しなければなりません。

だからこそ、最初のうちは「自分なりの見るポイント」を持つことが大切なんだと思います。

私の場合は、

  • ホームベースの幅を意識する
  • 低めは膝を一つの目安にする
  • 毎回同じ位置から投球を見る
  • 判定を急がず、一呼吸おいてからコールする

こうしたことを意識するようになりました。

もちろん、今でも迷うことはあります。

でも、何も分からずに「なんとなく」で判定していた頃と比べると、少しずつですが自分の中に基準ができてきました。

初心者だからこそ、教えてもらうことが大切

審判を始めたばかりの頃は、

「こんなことを聞いたら恥ずかしいかな?」

と思うこともありました。

でも、実際には先輩に聞くことで、

「なるほど、そうやって見るのか!」

と思えることがたくさんあります。

今回紹介したストライクゾーンの考え方も、私にとっては先輩から教えてもらった大切なことの一つです。

審判は、ただボールを見て判定するだけではありません。

どこに立って、どこを見て、何を基準に判断するのか。

それを一つずつ覚えていくことが、正しい判定につながっていくのだと思います。

次回は、私が球審をやっていて特に苦手だった、**「高めの変化球」**について書いてみたいと思います。

初心者審判にとって、これもかなり難しい投球でした。

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