初めて球審をしたとき、私が一番難しいと感じたのが「ストライクゾーン」でした。
もちろん、野球をやってきたので、ストライクゾーンがどこなのかは知っています。
でも、実際に自分が球審として判定するとなると、話は別でした。
「今のボールはストライク?」
そう思いながら判定していると、同じようなコースのボールでも、そのときによって判定が変わってしまいます。
今回は、そんな私が先輩審判から教えてもらい、ストライクゾーンを考えるときの参考になった2つのことを紹介します。
最初は「どこから見るの?」という状態でした
球審は、打者と捕手の間にある「スロット」と呼ばれる位置に入って、投球を見ます。
そして、ホームベースを基準にして、投球がストライクゾーンを通ったかどうかを判断します。
ところが、最初の私は、できるだけボールを正面から見ようとして、捕手の真後ろに近い位置から見ていました。
すると、見る位置が安定しません。
「今のはストライクだったのかな?」
「さっきは同じようなコースをボールにしたけど……」
そんなことを繰り返していました。
そこで先輩に相談すると、ストライクゾーンを考えるときの具体的な目安を教えてくれました。
① ホームベースの横幅を目安にする
まず教えてもらったのが、ホームベースの横幅を意識することでした。
野球のホームベースは、横幅が43.2cmあります。
軟式M号球の直径は約7.2cmなので、単純に計算すると、
43.2cm ÷ 7.2cm = 6
つまり、ホームベースの横幅は、M号球約6個分になります。
先輩からは、
「ホームベースの幅を基準にして、ボールが少しでもかかっていればストライクと考える」
というような判定の考え方を教えてもらいました。
もちろん、実際のストライクゾーンは「ボール何個分」と単純に決められるものではありません。
でも、当時の私にとって、この話はとても分かりやすいものでした。
それまでの私は、
「ストライクゾーンって、この辺かな?」
という感覚だけで見ていたからです。
ホームベースを基準にして考えることで、
「ここまでならストライクとして見る」
という自分なりの目安を持てるようになりました。
すると、それまで自分の中で狭くなっていたストライクゾーンにも気づくことができました。
② 低めは「膝」を意識する
もう一つ教えてもらったのが、低めのストライクゾーンについてです。
打者によって身長や体格は違います。
そのため、高めのゾーンは打者によって見え方が変わります。
そこで先輩から、
「低めは膝を一つの目安にするといい」
と教えてもらいました。
もちろん、実際のストライクゾーンは打者の構えやルール上の基準などを踏まえて判断する必要があります。
それでも、初心者の私にとっては、
「低めを見るときは、まず膝を意識する」
という考え方が、とても役に立ちました。
それまでは、低めに来たボールを見るたびに、
「これは低いかな?」
と迷っていました。
でも、見るポイントを一つ決めることで、少しずつ判断しやすくなっていきました。
ストライクゾーンは「感覚」だけでは難しい
球審を始める前は、
「ストライクかボールかなんて、見れば分かるだろう」
くらいに思っていました。
ところが、実際にやってみると全然違います。
同じようなコースに投げられたボールでも、打者の身長や構え、投球の高さなどによって見え方が変わります。
しかも、球審は一球一球、その場で判断しなければなりません。
だからこそ、最初のうちは「自分なりの見るポイント」を持つことが大切なんだと思います。
私の場合は、
- ホームベースの幅を意識する
- 低めは膝を一つの目安にする
- 毎回同じ位置から投球を見る
- 判定を急がず、一呼吸おいてからコールする
こうしたことを意識するようになりました。
もちろん、今でも迷うことはあります。
でも、何も分からずに「なんとなく」で判定していた頃と比べると、少しずつですが自分の中に基準ができてきました。
初心者だからこそ、教えてもらうことが大切
審判を始めたばかりの頃は、
「こんなことを聞いたら恥ずかしいかな?」
と思うこともありました。
でも、実際には先輩に聞くことで、
「なるほど、そうやって見るのか!」
と思えることがたくさんあります。
今回紹介したストライクゾーンの考え方も、私にとっては先輩から教えてもらった大切なことの一つです。
審判は、ただボールを見て判定するだけではありません。
どこに立って、どこを見て、何を基準に判断するのか。
それを一つずつ覚えていくことが、正しい判定につながっていくのだと思います。
次回は、私が球審をやっていて特に苦手だった、**「高めの変化球」**について書いてみたいと思います。
初心者審判にとって、これもかなり難しい投球でした。


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